草笛光子と三橋達也、高千穂ひづると若杉英二、小林トシ子と大木実。
3組の恋愛模様を「純潔」をテーマに描いた作品。
1960年代の成瀬映画に多く出演している草笛光子のデビュー作でもある。
本作の草笛光子は当時19歳〜20歳。
その若さで驚くほどの色気があり、大人の女という感じで美しい。
本作の舞台は「大阪」だ。松竹大船ではなく松竹京都作品。
川島映画には実に多くの作品に大阪と京都が登場するが、
大阪をメイン舞台にした作品は『還って来た男』『わが町』『暖簾』『貸間あり』の4本。
すべて傑作である。
実は本作も川島映画の「大阪もの」の1本に加えるべきだろう。出来は4本に比べて少し落ちるが・・・
本作の不思議なところは、舞台は明らかに大阪(前半にグルーブの小旅行先として石川県・片山津温泉が登場)なのだが、
皆が標準語を話していること。理由は不明。そのせいか大阪の雰囲気があまり伝わってこない。三橋達也は銀座生まれだ。
なお、今回も画面写真のロケ場所の特定には、K氏に一部協力いただいた。感謝したい。ロケ地はまだあるので今後もアップ予定。
・舞踊団の発表会に登場する「大阪市中央公会堂」(北区中之島)。大阪を代表する歴史的な建物だ。
入口の段差は異なっているが建物の形状からここに間違いない。下記Map@
舞踊団の一員である高千穂ひづる(戸川蒼)を観に、従姉妹の草笛光子(牧原渓子)と会社の同僚で恋人の三橋達也(小泉孝之)
が公会堂の正面から入っていく。この時二人は喧嘩をしている。後方は「堂島川」だろう。
高千穂ひづるは、恋人で三橋達也、草笛光子の会社の同僚の若杉英二(佐竹徹)と楽屋口の前で待ち合わせし
タクシーを降りる。その後楽屋口へ入っていく。
楽屋口(公会堂の横)の前の道には彫刻や植え込みが見えるが現在は無いようだ。
グーグルストリートビューで公会堂の左右を見ると似たような楽屋口の形状が複数あり正確な場所はわからない。この場所は管理者による推定。
後方は「土佐堀川」だと思われるが・・・下記MapA
NEW2021.6.28
K氏より正確な場所をご連絡いただいた。左の画面写真の対岸に「片野洋装店」という看板があり、それを基に調べられたとのこと。
現在は公園、対岸とも風景が変わっているが、右のグーグル写真の場所。横の橋は栴檀木橋(せんだんのきばし)。下記MapAの位置はだいたいあっている。